【理論】電気回路における7つの法則
はじめに
今日からのテーマは、電気回路です。電気回路の分野において、まずは絶対に抑えておくべき法則が7つあります。ということで、「電気回路における7つの法則」というテーマでまとめてみました。それでは、電気回路において成り立つ法則を一つひとつ見ていきましょう!
1.オームの法則
これは、言わずと知れた基本式です。流れる電流は、かけた電圧に比例し、回路の抵抗に反比例します。
2.分路電流の求め方
分岐回路があったとき、全電流が求まっているとします。このとき、知りたいところに流れる電流は、全電流に抵抗の和分の相手の抵抗をかけたものとして求めることができます。
3.キルヒホッフの第1法則
キルヒホッフの第1法則は、電流則です。ある接点において、入ってくる電流の総和は、出ていく電流の総和に等しくなります。
4.キルヒホッフの第2法則
キルヒホッフの第2法則は、電圧則です。任意の閉回路において、電圧降下の総和は、起電力の総和に等しくなります。
5.重ね合わせの理
回路に複数の起電力があるとき、流れる電流は、それぞれの起電力を短絡した回路を考え、求めた電流を足すことで得られます。
6.テブナンの定理
スイッチ付回路と地絡電流を求めるときに、以下の式を利用します。
Ⅰ=E0/(R0+R1) [A]
(定電圧源を短絡したときの内部抵抗+外部抵抗)分のオープン電圧
7.ミルマンの定理
ミルマンの定理は、起電力や抵抗が多い回路に適用します。
端子電圧V0=(ΣE/R)/(Σ1/R)
端子を短絡した各回路の電流の和/各抵抗の逆数和
おわりに
以上、いかがでしたでしょうか。今日は「電気回路における7つの法則」というテーマで、絶対に抑えておくべき法則を一通り見ていきました。もし、知らないものがありましたら、この機会に覚えておかれることをおススメします。
【理論】起電力にまつわる、いろいろな法則
はじめに
今日は、電磁気におけるいろいろな法則の第2弾として、「起電力にまつわる、いろいろな法則」というテーマでまとめてみました。
1.フレミングの右手の法則
フレミングの右手の法則は、磁界中を運動する導体が磁束を切るときに発生する「起電力の向き」を教えてくれる法則です。具体的に、どういう向きかというと、左手の中指・人差指・親指の3本で直交座標系をつくったときに、それぞれの指が指し示す向きを以下のようにあてがいます。
・中指:起電力
・人差指:磁束
・親指:運動の向き
つまり、右手の中指が指す向きが、発生する起電力の向きということになります。
2.ファラデーの電磁誘導の法則
N[回]巻いたコイルに、磁石を抜き差しするとそのスピードに応じて、次式で表される誘導起電力が発生します。
e=ーNΔΦ/Δt[V]
これがファラデーの電磁誘導の法則です。
3.自己誘導起電力
2と逆に、コイルに流れる電流が変化すると、それに応じた誘導起電力が発生します。
e=ーLΔI/Δt[V]
おわりに
以上、いかがでしたでしょうか。今回で電磁気のまとめは一先ず終わりにします。次回は「電気回路における、いろいろな法則」ということで、いよいよ電気回路の分野について、まとめていきたいと思います。
【理論】電流にまつわる、いろいろな法則
はじめに
今日は「電流にまつわる、いろいろな法則」について、お話しします。電磁気における法則はたくさんあるので、2つの回に分けました。今日はその第1弾になります。
1.アンペアの周回積分の法則
NI=Hℓ
N:コイルの巻数
I:電流 [A]
H:磁界の強さ [A/m]
ℓ:磁路長 [m]
まず、この式が意味することを覚えます。
直線電流がつくる周辺磁界を求める。
この式から直線電流がつくる周辺磁界が求まります。
H=NI/ℓ
直線電流から距離r[m]離れた位置では、磁路長は2πrであるから、
H=NI/2πr
直線電流ではN=1として、
H=I/2πr[A/m]
2.ビオ・サバールの法則
ΔH=I Δℓ sinθ/4πr2 [A/m]
この式も覚えておきます。
円形コイルがつくる周辺磁界を求める。
このビオ・サバールの法則から、円形コイルがつくる周辺磁界が求まります。
ΔH=I Δℓ sinθ/4πr2
sin π/2=1, 一周すると2πrだから、
H=I・2πrN・1/4πr2
=NI/2r[A/m]
3.フレミングの左手の法則
フレミングの左手の法則は、磁界中に置かれた「電流を流した導体」が受ける「力の向き」を教えてくれる法則です。具体的に、どういう向きかというと、左手の中指・人差指・親指の3本で直交座標系をつくったときに、それぞれの指が指し示す向きを以下のようにあてがいます。
・中指:電流
・人差指:磁束
・親指:力
つまり、左手の親指が指す向きが、導体の受ける力の向きということになります。
また、この法則を磁界の中を動く電子に適用するときの注意事項について説明します。電流の流れる向きは、自由電子の動く向きと逆に定義されました。したがいまして、電子が磁界から受ける求心力を求めるときは、電子の動く向きとは逆向きに中指を向けることで、求心力の向きである親指が示す向きを求めます。
おわりに
以上、いかがでしたでしょうか。次回は、電磁気におけるいろいろな法則の第2弾「起電力にまつわる、いろいろな法則」についてまとめます。
【理論】コンデンサとコイル
はじめに
今日のテーマは「コンデンサとコイル」です。前回は電界と磁界を学びました。電界を学んだらコンデンサ、磁界を学んだらコイルといった具合に、知識を関連づけて増やしていきましょう!
1.コンデンサ
コンデンサについては、大きく分けて3つだけ覚えておきましょう!
1.1 蓄えられる電荷
コンデンサに蓄えられる電荷Qは、Q=CV [C]で求まります。
また、このときの静電容量は、平板電極であればC=εS/d [F]です。
1.2 合成静電容量
合成の静電容量は、並列接続なら「和」の形、直列接続なら「積/和」の形で求まります。
1.3 静電エネルギー
コンデンサの静電エネルギーWは、W=CV2/2で求まります。
2.コイル
続いて、コイルです。コイルについても3つの項目を覚えておきましょう!
2.1 自己インダクタンス
自己インダクタンスLは、L=NΦ/I=N2/Rmでコイルの巻数の2乗に比例します。
2.2 合成インダクタンス
コイルの合成インダクタンスは、和動接続ならL1+L2+2M、差動接続ならL1+L2ー2Mで求まります。
2.3 電磁エネルギー
コイルの電磁エネルギーWは、W=CV2/2で求まります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。静電容量があって静電エネルギーというのと、自己インダクタンスがあって電磁エネルギーというところがそれぞれ似ていますね。次回は「電流にまつわる、いろいろな法則」について、まとめてみたいと思います。
【理論】電界と磁界
今日のテーマは「電界と磁界」です。電気回路の分野と比べて、とっつきにくい電磁気(電界と磁界)の世界。その電界と磁界について、これだけはというものを表にまとめました。ぜひ覚えておきましょう! 理解するコツとしては、「単に覚える」のではなく「ストーリーで覚える」です。また、電界と磁界を「対比して覚える」ことも大切です。我ながらこの表はよくまとまっております。
1.電界
電界は、ざっくりいうと「電圧」が関係する世界の話です。
①電荷
電荷Q [C]が置かれた空間を考えます。
②電気力線の数
電荷Q [C]からは、N=Q/ε [本]の電気力線が出ています。
③電界の強さ
電界の強さとは、電気力線密度のことです。
ですので、②で求めたNを表面積で割れば、電界の強さが求まります。
球の表面積は4πr2だから、E=Q / 4 π ε0 εs r2 [V/m]となります。
④クーロン力
電荷Q1がつくった電界E1に、電荷Q2が置かれていると考えます。
よって、2つの電荷の間に働くクーロン力は、F=Q1Q2/4 π ε0 εs r2 [N]となります。
2.磁界
続いて、磁界です。電界は、ざっくりいうと「電流」が関係する世界の話です。
①磁荷
電界における電荷と同じように考えていきます。
磁荷m [Wb]が置かれた空間を考えます。
②磁力線の数
磁荷m [Wb]からは、N=m/μ [本]の磁力線が出ています。
③磁界の強さ
磁界の強さとは、磁力線密度のことです。
ですので、②で求めたNを表面積で割れば、磁界の強さが求まります。
球の表面積は4πr2だから、H=m / 4 π μ0 μs r2 [A/m]となります。
1.③電界の強さと同じ考え方ですね。
④クーロン力
磁荷m1がつくった磁界H1に、磁荷m2が置かれていると考えます。
よって、2つの磁荷の間に働くクーロン力は、F=m1m2/4 π μ0 μs r2 [N]となります。
1.④クーロン力と同じ考え方ですね。
3.おわりに
以上、いかがでしたでしょうか? 電界も磁界も、もの(電荷・磁荷)が置かれた状態を想像して、単に丸暗記するのではなく、このストーリーに沿ってクーロン力まで順に導いていきましょう! そうすれば、電界と磁界についてのあなたの知識も忘れにくくより確実なものになるはずです。また、こうして比べてみてみると、電界と磁界はほんとによく似ていますね。次回は「コンデンサとコイル」について、お話ししたいと思います。